2012年の活動コンセプト

2011年の約1年に及ぶ、ノマドライフの旅はいったん終えた。
体力的な問題もあるが(冬になると移動生活は正直シンドイw)、ノマドの旅に一区切りをつけて、その道中で起きた数え切れないほど様々な出来事を冷静に振り返り、しばらくはそれをまとめたり、執筆したりすることに集中したいと思っている。

そこで、少し遅くなったが、2012年自分のコンセプトを表明したいと思う。


「Farm & Bee(ファーム&ビー)」

そして、

「Pollination(ポリネーション)」

である。

「ファーム(農場)」とは、コワーキングスペースやシェアオフィス/ハウス、ギャラリーなど、多種多様な職能やスキル、キャラクターを持つ人々が集う場所のことを自分なり名付けてみた。そこから創造的なサービスやビジネス、クリエイション、新しい共生の在り方が生まれている。

異種交配の現場であり、ルールや慣習よりも、挑戦や実験が優先され、自由で寛容度が高い場所、コミュニティ。いわば、21世紀の“新しき村”だ。
僕は2011年の生活実験企画「ノマド・トーキョー」を11ヶ月行い、東京各地を訪れ、なぜだか出会う人々との縁の中で、これらの場の可能性と萌芽を確実に感じた。

今や東京を始め、各地にコワーキングスペースが出来つつある。3.11の影響も当然ある。会社に必ずしも出社しなくても働ける、そんな環境を求めた人は地震直後、多かったはず。

日本経済は傾く一方で、終身雇用は崩れ、古い組織は自らを変革しなければついていけなくなってきている。
時代は変わりつつある。
人々は新しい働き方を求め、当然、新しい働く場所が求められている。日本より先んじてアメリカは4人に1人はネットを使った在宅勤務者だそうだ。


ただ、所属に縛られない場があるだけでは、単なるノマドワーカーの多いカフェ、と何ら変わらない。
そこには、場の空気を読み、流れを作る<カタリスト>が必要になる。
わかりやすく言うと「また行きたくなる世話好きのスナックのママ」や「絶妙のタイミングで話しかけてくれるバーのマスター」のような存在だ。

東京の多くの「場」の運営者はそのことにすでに気がついている。場だけを用意しても意味がない。そこには必ず人を惹きつける設計や仕掛け、そして、魅力的な「人」が介在しないといけないことを。

そこで、ノマドを仕事だけでなく生活全般で実践してきた僕は、次にどこに向かおうかと年末年始ずっと自問自答していた。
そんな時、そんな”ファーム”とそこに集う人とを往来して、情報や人脈、アイデアをビー(ミツバチ)のように、運ぶ役目をするのはどうだろうかという考えが自然に降りてきた。

各地の“ファーム”を風に乗って飛び回り、人と人、人と情報やアイデアを結びつける。
いつでも気軽に挨拶を交わし、ブレストや自分たちの仕事やコミュニティの未来について語り合う。
そして、ちょっとした「企み」をする(笑)。

すなわち「Pollinate(ポリネート・受粉)」することで、
”ファーム”で育った種は違う場所でも根を張り、茎を伸ばし、やがて花を咲かせ、実をなす。
そして、砂漠のように干からびた土地に新しい生態系を作っていくのだ。
僕は、そんな"ポリネーター(受粉者)"となりたいなと思う。

アーティストにはキュレイターを、
アルチザンにはディレクターを、
デザイナーにはコピーライターを、
イデアにはスポンサーを、
企業にはアドバイザーを。
そんな風にして結びつけ、「交配」させたい。(元々、違うものを「混ぜる」のが好きだ)
そして、僕もまた、それを取材し記事にしたり、アイディアや新プロジェクトのトリガーにしたい。

そして、ジャンルや所属領域を横断する活動はそのままに、
これまでどおり、「通りにまだ名前のついてない場所」へ行きたいと思う。


「ファーム&ビー」、そして、「ポリネーション」の年。
僕はノマドという殻を破って、
「クリエイティブ・ポリネーター」、
または、
「ソーシャル・ポリネーター」として動いていこう!と思っています。

僕のブログやソーシングメディアで交流がある方で、まだお会いしていない皆さんは、もしどこかで会うことがあったら、気軽に話しかけて下さい。

そして、もう出会えた皆さんも、未来をちょっとでも面白くするような話をアレコレしましょう!

皆さんとともに、今年こそはいい年にしたいですね。