房総暴走ボソボソの旅・後半★鴨川・「Love&Rice」さんへ


S太郎とのアドリブの房総の旅。馬場さん宅を離れて・・・


「房総R不動産」の事務所にも立ち寄る。



その後、小腹がすいてきたので、あじ丼を食す。



しかしながら雨がいっそう強くなってきた。
一路海から山へ。鴨川の「大山千枚田」を目指す。



真っ暗な山道を進むと、建設中の2階建ての建物、バス、小屋という構成の
Love&Rice」さんに到着。
遅くなったので皆さんは夕飯の用意にとりかかっていた。


横浜生まれのタカヤ君はプロのサーファーを目指していたけれど、
子供の頃は畑に囲まれていた生活環境がすっかり変わってしまい、
自然のある土地を求めるようになった。


それで、タカヤ君とマユちゃんのカップルは、
バンで全国を旅しながら、
自分たちが自然に囲まれサステナブルな暮らしができる土地を探した結果、
この千葉の山の中で、ピン!と来てここに決めたという。
それ以来、自給自足の生活をベースに新しい生き方を模索しながら仲間たちと暮らしている。


「廃バスなら住めるのでは?」と思いつき、
バス会社に電話しまくり、ようやく観光会社でこのバスを見つけ、
レッカーで運んできたという。

それまではテント暮らしだったから、
バスに住んだ時は「広い!」と思ったというからおかしい。


バスの中はオフィス兼ベッドルーム。


この建物は、近くに住む宮大工の棟梁が手伝ってくれて、
仲間で建設しているという。スゴイ!!
日本各地の寺社を手がけ、今はこの近くに住む棟梁(70歳オーバー)
からは、「君たちのような若者は時代の必然だよ」と言ってもらったらしい。

☆彼らの今までの軌跡は以下のサイトに詳細がある。
http://suiden-trust.blogspot.com/2008/08/love-rice.html



この日はテントで寝る予定が嵐だったので、
近くに住む阿部さんという方の宿に泊まらせてもらう。


阿部さんは「新庄水田トラスト」という活動をされている。完全無農薬の山形・新庄の水田で「さわのはな」という幻の米が作られている。1口3万円=30坪でこのトラストにも参加でき、その年に作られたお米が送られてくる。
可能遺伝子組み換えイネを作らない水田を増やし、「さわのはな」を作るお百姓さんと共に農業を支えあい、安全な米を次の世代へ残していこうとする取り組みだ。



昨日の雨がうそみたいに晴天。「Love&Rice」に戻ってくる。



まだ生後2、3ヶ月の子猫の「アンド」ちゃん。おなかがすいて鳴いている。
捨てられたアンドをタカヤ君は拾ってきたらしい。

犬も2匹いて、名前はもちろん、「ラブ」ちゃんと「ライス」君だ。



前日、嵐のために僕らは行けなかったマーケットが、
ここ「鴨川自然王国」で行われていた。
その撤収作業に付いていく。加藤登紀子さんの旦那さん、藤本さんの記念館があった。



王国の庭には白ヤギが。ハイジみたいな光景。




マユちゃんたちは田んぼを踏みながらならす作業中。



"Happiness is journey, Not a destination. Good life."


バスに書かれたこの言葉について、タカヤ君に聞く。

「目的ばっかり求められる世の中じゃなくて、旅の過程を楽しみたい。
そこにこそ幸せはあるんじゃないかな」そんなことを語るタカヤ君。

僕も最近いろんな場所で「結果ではなくてプロセスが大事なんだよねえ」
とまったく同じようなことを言っているんだ、と話す。



レモングラスなどを入れた冷やしたハーブウォーターが美味しい。
タカヤ君ともいろんな話に花が咲く。


今までの活動記録を見せてもらう。中央のヒゲの方が棟梁。


「昔は、自分で作るのがとにかく楽しかったんだけど、今は周りと一緒に
何かをやることのほうが楽しいと思えるようになってきた」
−−それは自分がやっぱりサーファーでプレイヤーだからなんじゃないかな?
「そう。でも、1人夢中になっていると、周りに誰もいない!みたいなことがあって(笑)。
だから今は、色んな人に言葉で伝えていくことも大切だなって」


昨日はマーケットでは地元のコミュニティFMの録音があって、
タカヤ君は僕らにしてくれたような話をしたらしい。


サーファーなのに山に住んでいるのも面白い。
「最近はサーフィンやっている連中が山に住むっていう流れも出てきた」という。


帰りに蜜柑を採らせてもらう。
ソフトボール大の大きさ。酸っぱいけど、とても美味しい。



「Love&Rice」近くの千枚田の美しく広がる棚田の風景。
タカヤ君たちがこの土地に惹かれた理由が良く分かる。



田んぼの横でみんなで記念撮影。
ミュージシャンのマッキーと彼の御両親、彼のパートナーのあさこちゃん、
ヨガのインストラクターでもあるテルヨちゃんと。



帰りは、やっぱり温泉で湯道の実践!
「七里山温泉」に立ち寄る。



「Love&Rice」では、農業体験ワークショップや「お米作りPARTY」、
それから「サーフィン教室」「ヨガ教室」も行っている。
次はぜひ参加したいと思う。


でも、彼らは楽しみながら、マイペースで活動を続けている。
決して押し付けるものではないし、顔の見えない不特定多数を相手にしようと思っていない。
彼らがあくまでも自然に自分たちの内から湧き出る欲求で
この土地を選び、楽しみながら暮らしていることが伝わってきた。


基本は「半農半X」的な暮らしで、
まだまだ全然自給自足できているわけではなく、
タカヤ君はバンブーでボードを作り、
マユちゃんはケーキを「Cocoon」(繭)名義で販売している。

決して楽なことばかりじゃないと思うし、
実際に冬ははんぱなく寒いそう(そりゃそうだ!)。


でも、仲間がいて、一歩一歩文字通り全てを手作りで生み出しながら
生活することが、ここを知った人、訪れる人にとって
小さな気づきや変化のきっかけになれば、
とタカヤ君は語っていた。


決して、「カウンター」とか「オルタナティブ」みたいなありふれた言葉に
囚われない生き方を軽やかに実践する彼らを、
僕も微力ながら東京でできることから応援したい。
いや、応援っていうより参加かな。



この2階建ての家が完成したらぜひ泊まらせてもらいたい。
壁塗りも手伝おうかな(笑)



「Love&Rice」の皆さん、本当にお世話になりました!
ありがとうございました。
またお会いする日を楽しみにしています!!!
必ず行きます。