その時代、世代でできること

ここ数年、フリーランスとして、出版や広告、ネットなどの業界でいろいろな仕事をやりました。

でも、本当に流れが早くて3年以上続いているプロジェクトがない。

時代の流れというのもあるけれど、人の気持ちもそぞろというか、
息長く続けようとするものが少なくなっている気持ちがします。

早く成功して、早くバイアウトして、上場して……って、それもよくわかるんだけど、
刹那ですよね。

最近、友達ともよく話すんですよね。
「5年仕事、10年仕事をやらなきゃな」って。

僕は今40歳。体力、気力ともにまだまだあるけれど、
あと何発、自分が胸を張って誇れる仕事やプロジェクトがやれるんだろう。
5年仕事だと、3つか4つ、10年仕事だと頑張ってもあと2発くらいですよね。

でもね、当たり前すぎて面白くないかもしれないけど、
本気で何かをやろうとしたら、それぐらい時間はかかるんだって経験値でもわかるんです。
そして、そうでないと、やっぱり本物じゃない、ってことも。
今はブログからすぐに本を出している人もいるけれど、
果たしてそうなんだろうかって。
1つのテーマを取材したり、飛び込んで体験したり、身につけるのは、
それなりの時間がやっぱりかかるもんで、そんなに甘くないのではないだろうかと。

思い起こせば、ちょうど3年前、ノマド・トーキョーの構想が浮かんで、そこから今の僕は始まっています。
それまでの何もかも捨てて、やってみて、本を出すという自分なりの結果も出ました。

でも、全然やりたいことをやれてないし、こんなもんじゃないという気持ちの方が強いんです。

焦っているわけじゃないけど、もう「ながら作業」で何かをやってる場合じゃない。

世代で何かを区切るのはあまり好きじゃないけど、
その時代時代、その世代でできることってあるよなって思います。

いつも全力投球でやってきたけど、真っすぐでぐいぐい押すだけが試合じゃない。
変化球を織り交ぜながら、相手との駆け引きをして、真っすぐを誘い玉にして変化球で三振や内野ゴロで打ち取って、
しかも、完投する、それを目指す時期がやってきたんだろうなって思うわけです。

これもこの年齢にならなきゃわからないことでした。

「効率」も大切だけど、一球一球、相手と真剣勝負して投げていく「質」ですね。

そこにこだわっていきたいと、朧げながら来年以降のことを考えています。